マテリアルデザイン

バイオミネラリゼーション

バイオミネラリゼーション
貝殻、歯、骨など生体がつくる有機無機複合体はバイオミネラルと呼ばれています。この生体高分子と無機化合物の複合体は、常温・常圧の温和な水溶液から作製され、ナノからマクロスケールにわたる階層的な構造を有しています。次世代の材料科学では、このようなバイオミネラリゼーションのように環境にやさしいものづくりの方法論を開拓することが求められています。

自己組織化による結晶成長からの機能材料開発

自己組織化による結晶成長からの機能材料開発
自己組織化による結晶成長によって、ナノからマクロの様々なスケールで制御された構造体を、温和な条件の簡便なプロセスによって作製できます。10ナノメートル以下のナノ材料、ナノ結晶をレゴブロックのように積み上げたメソクリスタル、ねじれた結晶や樹枝状結晶などをデザインし、制御することができます。基礎学問としての現象解明から環境・エネルギー分野に貢献する高機能材料の合成を進めています。

高温超伝導物質

高温超伝導物質
1986年に発見された高温超伝導物質は、エネルギー革命をもたらす可能性を秘めた魅力的な材料です。よりよい特性を持つ超伝導物質を作るには、物質を構成する元素の役割を考える、元素の種類を変える、合成方法を工夫する、などの化学的視点が重要です。

色素増感湿式太陽電池

色素増感湿式太陽電池
安価で高い効率を持つ太陽電池の開発が太陽エネルギー利用技術の切り札となります。色素増感湿式太陽電池は、有機錯体が捕らえた光エネルギーを利用する植物の光合成に似たシステムとして今後の発展が期待されています。

室温溶融塩

室温溶融塩
ある種の有機化合物の塩は室温より低い温度で溶融してイオン性の液体となります。この室温溶融塩は化学的に安定であり、不揮発性で燃えにくいという性質を持つほか、水と混ざり合わないものも知られています。これらのユニークな性質から電池をはじめとする電気化学デバイスヘの応用が期待されています。また、環境に配慮したグリーン・サステイナブルケミストリーでも注目を集めています。

ナノ結晶が奏でる蛍光の世界

ナノ結晶が奏でる蛍光の世界
ナノテクノロジー、これはIT時代を支える重要な技術です。結晶粒子のサイズがナノオーダーになると新規の物性が発現することが多く見出されています。光学デバイスの世界ではナノ結晶が高い発光効率を示すことが報告され、従来技術では得られなかった新たなデバイスの登場が期待されています。酸化物ナノ結晶の作製とともに、フッ化物と複合化することで新たな機能をもつ薄膜を作製する研究も行われています。

レドックスフロー電池

レドックスフロー電池
水溶液中の金属イオンどうしの酸化還元(レドックス)反応を利用するレドックスフロー電池は放電と充電を繰り返しても性能の劣化がほとんどなく、水溶液の量を増やすことで大きな容量を実現できることから電力貯蔵用の大型電池として期待されています。この電池を使って夜間の余剰電力を貯蔵し、その電力を昼間に使うことで電気エネルギーを効率よく利用することが可能になります。

分子がつくるナノサイズの水玉模様

分子がつくるナノサイズの水玉模様
自然界では分子が規則的に配列して高度な機能を実現しています。膜構造を自在に制御できれば、様々な機能材料が設計できます。写真は1分子の厚みを有するクロロフィル錯体/有機分子の複合薄膜の表面です。薄膜を微小な針でなぞり、その動きをレーザーで精密に検出すると表面の凹凸をナノメートル単位で観測できます。分子同士のなじみやすさの違いで水玉模様になっています。

有機物だけの磁石を作る

有機物だけの磁石を作る
電子のスピンが同じ方向を向くような秩序ができると磁石になります。身の回りの磁性材料は、鉄、コバルトなど金属を含む無機化合物でできています。最近になって有機化合物でも極低温で磁石としての性質を示すことがわかってきました。図は、磁石としての性質を示すラジカル分子の結晶構造です。近い将来、炭素、窒素、酸素からなる軽くて透明な磁性材料が出現するかもしれません。