有機物質化学研究室

Laboratory of Organic Material Chemistry

2017年度研究テーマ
 ✓化粧品技術・表面技術
 ✓ホモキラリティー起源
 ✓時空間パターン発生
 ✓ジャイアントベシクルの形態制御
 ✓水溶液中を自ら泳ぐ(自己駆動する)油滴の運動制御
   

ジャイアントベシクルの形態制御 研究テーマ

両親媒性分子(油にも水にも溶解する分子)が水中で自己集合することで形成する,マイクロメートルサイズの袋状人工膜(ジャイアントベシクル)は,親水/疎水的な化合物を内部に保持できることから,(マイクロ)リアクターや,ドラッグデリバリーシステムに代表される輸送体などの機能性材料として注目されています。これの性質(強度,安定性,サイズ,形状)を制御するために,これまで様々なジャイアントベシクルの調製法が開発されていますが,化学反応によってその場で制御する試みは殆どなされていません。このような技術は,ベシクルが所定の場所に到達した後に必要な分だけ内包物を放出して化学的な刺激によって膜が閉じる,ということが可能となり,輸送体として応用する上で有用であると考えられます。

上記の目的を達成するために,我々は重合性官能基を有する両親媒性分子を分子設計し,その合成を行いました。これは,単に水中に分散させただけでは不溶な結晶として存在するのみでしたが,重合反応をさせることで様々な分子集合体が形成されることを見出しました。
左から重合性官能基の転化率が30%(球状),95%(カップ状),0%(反応前,結晶)の顕微鏡写真

 

左の写真のジャイアントベシクルが形成した分散液を10倍に希釈しても,蛍光顕微鏡像からジャイアントベシクルが残存していることが確認できました。このことは,このジャイアントベシクルの安定性が比較的高いことを示しています。
現在は,このような重合性の両親媒性分子の重合反応後の組成が,形成するジャイアントベシクルの形状や機械的な強度に与える影響を明らかにするとともに,それらの制御を目指して研究を行っています。また,ジャイアントベシクルをリアクターとして応用する目的で,生体内の酵素のように高基質特異性と高立体選択性を発現する特殊反応場としての利用を視野に入れた研究も行っています。
 
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