分析化学研究室

チッテリオ研究室

 

Innovation of Chemical Sensors

慶應義塾大学

理工学部

応用化学科

インクジェットを用いた紙基板デバイス

 

現代のdrop-on-demand型のインクジェットプリントは、工業や科学の分野における製作技術の一つとして近年非常に注目を集めている技術です。drop-on-demand型インクジェットプリント技術の特長としては、ピコリットルサイズの液滴を、さまざまな基板の上に再現性良く、接触することなく高精度に吐出できる点が挙げられます。

 

当研究室ではインクジェットプリントを利用し、小型かつ低価格で、色や蛍光などの光学シグナルで検出を行う(生)化学センシングデバイスを開発しています。インクジェットプリント技術を応用する主な分野として、マイクロ流体ペーパー分析デバイス(microfluidic paper-based analytical devices; µPADs)に注目しています。µPADsは紙でできているため安価に生産でき、使用や廃棄の面での取り扱いも容易であるため、信頼性の高いµPADsを開発することで資財の限られた発展途上国における医療・環境分析や、先進国における在宅医療が可能になります。

 

私たちのグループはインクジェットプリントを利用し、基板へのマイクロ流路パターニングと(生)化学センシングに必要な試薬の固定化の両方を、世界で初めてµPADsに行うことで、インクジェットプリントの汎用性を示しました。インクジェットプリントのみを使い、一枚のろ紙に2種類のラテラルフローイムノアッセイとpHセンシングを組み込んだセンサー(イムノ−ケミカルセンシングペーパー)を開発することにも成功しています。さらに、揮発性有機溶媒不使用の環境に優しいパターニング法や、家庭用のインクジェットプリンターで作製できる過酸化水素(H2O2)測定用µPADの開発もこれまでに行いました。最近では、医療分析に向けたセンサーとして、ヒト涙液中のラクトフェリンを検出・測定するµPADを開発し、従来必要であった抗体や高価な実験装置を使用せずにラクトフェリンを定量する手法を初めて確立しました。

 

他にも、インクジェットプリント技術を使えば、一般のコピー用紙にシンプルなガスセンサーアレイを作ることもできます。

 

さらなる詳細は、 出版物リストをご覧ください。

 

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Citterio Laboratory 2017

Last update: October 3, 2017