研究成果

　我々は以下の３つのアプローチでメソクリスタル構造体を作製した。

�@ ゲルマトリクス中での結晶成長 　ゲルマトリクス中で結晶を成長させることで、MnCO3メソクリスタル構造体の作製に成功した。また、これを前駆体としてLiMn2O4メソクリスタル構造体を作製した（図２）。LiMn2O4メソクリスタル構造体は、LiMn2O4多孔質体に比べて高いレート特性を示した。

図２　LiMn2O4メソクリスタル構造

�A 中間体を経由したトポタクティック変換 　中間体を経由し、トポタクティック変換を利用することで、LiCoO2メソクリスタル構造体の作製に成功した。LiCoO2メソクリスタル構造体は、LiCoO2緻密体・多孔質体に比べて高いレート特性・サイクル特性を示した（図３）。

図３　LiCoO2メソクリスタル構造体

�B 有機高分子による結晶成長制御・集積 　有機高分子を添加し、結晶成長を制御することで、Li2MnSiO4メソクリスタル構造体の作製に成功した（図４）。Li2MnSiO4メソクリスタル構造体は、Li2MnSiO4多孔質体に比べて高いレート特性を示した。

図４　Li2MnSiO4メソクリスタル構造体

　以上のように、メソクリスタル構造を有する電極材料は優れた特性を示すことが明らかになった。