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ナノ蛍光体における局所構造解析の重要性

 ナノ蛍光体では単位体積あたりの表面積の割合が著しく増大するために、発光イオンが表面近傍に存在する確率が高くなります。このため、表面修飾を必須とするナノ蛍光体では、表面修飾剤と発光イオンとが直接相互作用する可能性が高くなります。

  バルクの蛍光体では発光イオンを熱拡散によって粒子内部に均一にドープできるのに対し、低温の液相合成では発光イオンが固溶しないで偏析してしまい、濃度消光によって高い発光効率を得られないケースもあります。このため、発光イオンがどのような状態で存在するのかを調べることは大切です。

 ZnS:Mn2+ナノ蛍光体では、電子スピン共鳴(ESR)を利用してMn2+の存在状態を解析することが可能です。バルク蛍光体では、Zn2+とMn2+が置換して粒子内部中に固溶した状態とMn2+がクラスター状に偏析した状態がESRによって区別できます。さらに、ナノ蛍光体ではMn2+が粒子表面近傍に存在する状態が観測されます。このように、ナノ蛍光体の研究では、発光特性の評価だけでなく、発光イオン周囲の局所構造解析が特性向上のために必須となります。

 また、表面修飾剤と常磁性発光イオンが近距離に存在することを確認する手段として、核磁気共鳴分光法(NMR)が有効です。ZnS:Mn2+コロイド溶液や粉末をアルキルリン酸化合物で修飾すると、31P-NMRスペクトルが観測されなくなることが分かっています。この原因は、31Pの核スピンの緩和が常磁性Mn2+の3d電子との相互作用によって高速化するためです。このように、表面修飾分子が常磁性発光イオンをドープしたナノ粒子近傍に存在すること、つまり、確かに表面修飾がなされたことをNMRによって確認できます。

・ナノ蛍光体に関する先導的な研究
 当研究室では、単にナノ蛍光体を作って、発光特性を調べるだけでなく、化学的な特性を広角的に解析し、発光特性に与える影響を解釈することに力を注いでいます。このような研究を通して、ナノ蛍光体の基盤研究を築いています。当研究室への信頼や期待は非常に大きく、その結果、多くの民間企業との共同研究プロジェクトや産学官連携プロジェクを生み出しています。

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Last Update : 11/09/16