最 近 の 研 究 成 果


こちらのページでは,当研究室の最近の研究成果についてご紹介いたします。


(±)-クラビラクトンDの全合成および構造訂正

    私達はシクロブテンの骨格変換を伴う開環/閉環メタセシス反応(ROM/RCM)を鍵として、(±)-クラビラクトンDの初の全合成を達成し、提唱されていた構造を訂正しました。


1) Takao, K.; Nemoto, R.; Mori, K.; Namba, A.; Yoshida, K.; Ogura, A.

     Chem. Eur. J. 2017, 23, 3828.

ピリジンN-オキシド触媒によるオキシラン誘導体の開環に伴う位置選択的クロロシリル化反応

    私達はピリジンN-オキシド誘導体を触媒に用いて、嵩高いシリル化剤によるオキシラン誘導体の位置選択的クロロシリル化反応を開発しました。それをカルベジロールの合成に応用しました。


1) Yoshida, K.; Suzuki, H.; Inoue, H.; Matsui, K.; Fujino, Y.; Kanoko, Y.; Itatsu, Y.; Takao, K.
     Adv. Synth. Catal. 2016, 358, 1886-1891.

有機分子触媒を用いたエナンチオ選択的なスピロインダン骨格の構築

    生物活性化合物の構造中にしばしば見られるスピロインダン骨格のエナンチオ選択的な構築法として,シンコナアルカロイド由来のアミン触媒を用いた分子内Friedel-Crafts型1,4-付加反応を開発しました。それを(-)-カンナビスピレノンAおよびBの形式合成に応用しました。


1) Yoshida, K.; Itatsu, Y.; Fijino, Y.; Inoue, H.; Takao, K. Angew. Chem. Int. Ed.
     2016, 55, 6734-6738.

(+)-シトスポロリド A の全合成

    (+)-シトスポロリドAは複雑な五環性骨格を有し,その構造は(-)-フスコアトロールAと(+)-CJ-12,373とのヘテロDiels-Alder反応により生合成されていることが提唱されています。この生合成を模倣した反応を鍵として,本天然物の初の全合成を達成しました。


1) Takao, K.; Noguchi, S.; Sakamoto, S.; Kimura, M.; Yoshida, K.; Tadano, K. J. Am. Chem. Soc.
     2015, 137, 15971.

(+)-ビブサニン A の全合成

    亜鉛を用いたBarbier型アリル化反応により不斉四級炭素 を立体選択的に構築し,分子内野崎-檜山-岸反応と光延反応を組み合わせて(+)-ビブサニンAが有する特異な11員環骨格を効率よく構築し,本天然物の初の全合成を達成しました。


1) Takao, K.; Tsunoda, K.; Kurisu, T.; Sakama, A.; Nishimura, Y.; Yoshida, K.; Tadano, K.
     Org. Lett. 2015, 17, 756.
2) Akihiro, S.; Nishimura, Y.; Motohashi, Y.; Yoshida, K.; Takao, K. Tetrahedron 2016
     72, 5465-5471.

ピリジン N-オキシドを触媒に用いたアルコールのシリル化反応

    私達はピリジン N-オキシド誘導体を触媒に用いることにより,TBDPS基などの嵩高いシリル基による第二級アルコールのシリル化反応,MS4Aを用いたアミンフリーの条件によるシリル化反応を開発しました。


1) Yoshida, K.; Takao, K. Tetrahedron Lett. 2014, 55, 6861.
2) Yoshida, K.; Fujino, Y.; Itatsu, Y.; Inoue, Y.; Kanoko, K.; Takao, K. Tetrahedron Lett. 2016
     57, 627.

(+)-クラビラクトン A および (–)-クラビラクトン B の全合成

    クラビラクトン類は,キノコから単離された新しいタイプのチロシンキナーゼ阻害剤です。私達は,シクロブテンの骨格変換を伴う開環/閉環メタセシス反応を鍵として,(+)-クラビラクトン A および (–)-クラビラクトン B の全合成を達成しました。


1) Takao, K.; Nanamiya, R.; Fukushima, Y.; Namba, A.; Yoshida, K.; Tadano, K. Org. Lett.
     2013, 15, 5582.

(+)-バクチオールの全合成

    不斉四級炭素は天然物の構造中に多く見出されていますが,その立体選択的な構築はしばしば困難を伴うことが知られています。私達は新規な不斉四級炭素構築法として,Oppolzer のカンファースルタムを用いた不斉 Claisen 転位反応を開発しました。それを(+)-バクチオールの全合成に応用しました。


1) Takao, K.; Sakamoto, S.; Touati, M. A.; Kusakawa, Y.; Tadano, K. Molecules 2012, 17, 13330.