1.拡散スクラバー法による空気清浄技術の開発

2.酸化チタン光触媒を用いた拡散スクラバー法による空気清浄技術の開発

3.活性炭繊維シートを用いた平行板型拡散スクラバーによるVOCs除去処理技術

4.拡散スクラバー法を用いた空気清浄技術の特徴とその応用





1.拡散スクラバー法による空気清浄技術の開発

 本研究で開発する“拡散スクラバー法”は、気体と粒子の拡散係数の相違を利用 してガス成分のみを効率良く分離捕集するユニークなガス成分の捕集方法である。従って、数十年 来用いられてきた従来のガス捕集・除去方法である“吸収ビン法”や“化学処理フィルター法”と は全く発想の異なる方法である。
 下図に示す“多孔質テフロン膜を用いた拡散スクラバー法"による空気清浄装置は、 多孔質テフロ ン(PPTFE)膜を数十cmの長方形フレームの両面にマウントしたユニットを5mm程度の狭い間隔で並べ た集合体であり、 そのPPTFE膜フレーム内に水を流すシンプルな構造からなる。 空気をフレームユ ニットの隙間に流すとガス成分は拡散してPPTFE膜内壁を透過し、内部の水に簡単に捕集・除去される。 ガス捕集の吸収液としては特殊な捕集剤を使用する必要はなく、単に水を用いれば良いため、 水に溶 ける多種類の有害ガス成分、 アルデヒド(HCHO, CH3CHO)、 酸性・塩基性ガス(HF、HCl、HNO3、SO2、NH3、 カルボン酸、メチルアミン)等の捕集・除去が可能である。 又、 選択性を有する吸収液を使用すれば水溶 性ガス以外の有害ガス成分の捕集・除去も可能であり、 その適応範囲は極めて広い。
 除去された有害ガス成分は水の中でイオンとして存在し、除去液としての水はイオン交換樹脂により 簡単に精製でき、 長期間に渡り水を循環させながら有害ガス成分を除去する事が可能である。 又、 イオ ン交換樹脂に吸着除去された有害ガス成分の処理はイオン交換樹脂の交換・再生により簡単に行う事が きる。 本装置は、 空気を濾過して処理する化学処理フィルターの原理とは異なり、 PPTFE膜フレーム間の 隙間に空気を流すので通気抵抗が非常に少なく、 段ボール程度のサイズの装置で毎分数〜数十m3単位の 大量の空気を除去・処理できる。 そして、 構造が簡単であり、 既存の空調施設・ダクト等に簡単に組み込め 、ビル等において温度・湿度の調整と同時に有害ガス成分を除去・処理する装置として使用できる。


図 拡散スクラバー法"による空気清浄装置
 

 

 

 

 



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