分析化学研究室

チッテリオ研究室

 

Innovation of Chemical Sensors

慶應義塾大学

理工学部

応用化学科

医療・環境分析に向けた低コスト分析デバイス

 

私たちの研究グループでは、(マイクロ流体)紙基板分析デバイス(microfluidic paper-based analytical devices; μPADs)の開発に携わって10年以上になります。(μ)PADsは一般のエンドユーザー向けの分析デバイスであり、場所を問わずその場で誰もが臨床検査や環境分析を行うことを可能にします。(μ)PADsは紙でできているため安価に生産でき、使用や廃棄の面での取り扱いも容易であるため、信頼性の高い(μ)PADsを開発することで資源の限られた発展途上国における医療・環境分析や、先進国における在宅医療が可能になります。

 

紙は物理的、化学的に機能性に富む非常に重要な低コストマテリアルです。私たちのグループは、drop-on-demand型インクジェットプリントを用いた(µ)PADsの作製技術を強みとしています。drop-on-demand型インクジェットプリント技術は紙との相性が良く、ピコリットルサイズの液滴を再現性良く、接触することなく高精度に様々な化学試薬(タンパク質、低分子指示薬、ポリマー、金属ナノ粒子など)を配置することが可能です。

これまで、一般的なオフィス用デスクトップインクジェットプリンターを用いて、様々な分析(ヒト涙液中タンパク質、薬物、ヒト尿中物質、環境水中金属イオンなど)に向けた(µ)PADsの開発を行ってきました。最近では、よりエンドユーザー向けのコンセプトとして、分析結果を直接数字や絵柄で表示する文字表示型PADsを開発しました。このようなアプローチは高精度かつ自在な試薬配置が可能なインクジェットプリント技術によって実現可能となっています。

 

加えて、イオン選択性電極ISEs (ion-selective electrodes), やイオン選択性オプトードISOs (ion-selective optodes)を導入した(µ)PADsの開発も積極的に行っています。これらを用いた分析に必要な操作はサンプルの滴下のみで、サンプルの前処理を必要としません。

 

これまで私たちのグループで開発してきた(µ)PADsの中には、企業と協力し製品化に向けてさらなる開発を進めているものもあります。

 

さらなる詳細は、 出版物リストをご覧ください。

 

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Citterio Laboratory 2022

Last update: March 08, 2022