MENU

研究紹介

CIS/ZnS, InP/ZnSナノ蛍光体

十分に小さな半導体微粒子には量子効果が現れ、それらは量子ドットと呼ばれます。量子効果を利用することで、発光の高効率化や、粒子径による吸収・発光波長の制御などが可能となります。従来の量子ドット蛍光体はCdSe系が主流でしたが、強い毒性が懸念されています。当研究室ではCuInS2(CIS)系やInP系などのCdフリーな量子ドット蛍光体を開発しています。

CsPbX3ペロブスカイトナノ蛍光体

ペロブスカイト型CsPbX3 (X=Cl, Br, I)ナノ結晶は、蛍光ピーク幅が狭いために非常に色純度が高く、かつ高い蛍光量子収率を示します。また、ハロゲンの種類や混合比率を変えることで吸収・蛍光波長をシフトできることも大きな特徴です。ハロゲン組成により発光色を調整することで、広色域ディスプレイや高演色LEDなど次世代型光電子デバイスへの応用が期待できます。しかし非常に劣化しやすい問題があり、それを解決するため耐久性の改善や自己回復現象の探究などに取り組んでいます。

カーボンドット蛍光体

カーボン材料は資源が豊富かつ環境負荷の低さから注目を集めています。その中で、カーボンドットと呼ばれる蛍光体微粒子があります。カーボンドット蛍光体は、分散媒やマトリクスの極性により蛍光波長が変化するなど、他のナノ蛍光体では見られない特異的な蛍光特性を示します。蛍光波長の制御や蛍光量子収率の向上を目指して基礎的な研究に取り組んでいます。

ナノシート蛍光体

液相法では、合成条件の制御や表面修飾剤の添加により、同じ材料でも様々な形態で粒子を得ることができます。ナノシートと呼ばれる平面方向に成長した2次元ナノ材料は、その独特の形状のために配向した状態で堆積できることが知られています。ナノシート蛍光体を合成して有機物で修飾し、さらに堆積することで、密な有機-無機複合蛍光膜の作製が期待できます。

銀ゼオライトナノ蛍光体

ゼオライトはよく知られた多孔質材料です。特定のゼオライトにAg+イオンを導入して内部で還元すると、紫外光照射により可視蛍光を示す銀クラスターが生成します。当研究室では、水熱合成したゼオライトのナノ粒子から銀ゼオライトナノ蛍光体を作製しました。Ag+イオンの還元手法としてX線照射に着目し、蛍光特性の改善を検討しています。

Copyright © Isobe laboratory. All rights reserved.
当サイト内のすべてのコンテンツにつき無断転載を禁じます。