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研究室紹介

研究概要

知っていましたか?携帯電話の中には磁性体が100個以上も使われているのです。しかし現在の磁性体は鉄や酸化物で出来ています。これをより軽い有機物で磁性体が作れたらますます便利になるという考えのもと、当研究室では有機磁性体の研究を行っています。

有機磁性体の候補となるのは安定有機ラジカルで、それを作り評価します。具体的には、設計→合成→測定→計算の流れで研究は行われます。

ところで磁性はマクロな現象であるため、有機物における磁性の源となる不対電子が単に存在するのみでは不十分で、それが分子間力により整列する必要があります。そのことを念頭に分子を設計します。

次に、有機合成を行います。6ステップ前後の合成であることが多いです。

そして物性測定を行います。ESRやSQUID磁束計を用いて磁気特性を調査し、また単結晶X線構造解析を行います。

以上の測定データから、分子軌道計算を行ったり結晶構造と磁性との間の相関について議論したりします。そしてこの結果を、新たな分子設計に反映させるのです。