研究室紹介

主要設備

赤外分光光度計(日本分光 FT/IR-4100)
 4000〜400 cm-1の範囲で赤外線の吸収を観測します。特性吸収帯の消失と出現から合成確認に使っています。水素結合や配位結合で多量体を形成している場合は、集合形態に関する情報も得られます。



赤外分光光度計(日本分光 FT/IR-350)
 この装置には、様々な検出器が取り付けられており4000〜400 cm-1のみならず、400cm-1以下の遠赤外線の領域に現れる吸収スペクトルを測定することができます。遠赤外線の領域には、金属と配位原子間の伸縮振動などが現れるため、金属錯体の局所的な情報を知りたい場合に役立ちます。



紫外可視分光光度計(日本分光 V-650)
 190〜900nmの波長範囲で溶液の光吸収スペクトルを測定するための装置です。積分球と呼ばれるアタッチメントをつけることにより、固体粉末の拡散反射スペクトルを測定することができます。



分光蛍光光度計(日本分光 FP-777WI)
 この装置は、物質からの発せられる蛍光を測定するためのものです。分子は、光を吸収して励起状態となりますが、再び光を発して基底状態に戻ります。特に剛直な構造を有するπ共役分子は、蛍光を出しやすいことが知られています。また、蛍光の波長、強度は分子の置かれた環境を反映しますので様々な情報を得ることができます。



円ニ色性分散計(日本分光 J-720WI)
 光学活性な物質を直線偏光が通過するとき、その成分である右回りと左回りの円偏光の速度が異なるばかりでなく、吸収される割合も異なります。したがって、直線偏光は光学活性な物質を通過した後は楕円偏光となり、その物質は円二色性を持つといいます。この装置を使うと、165〜1100nmの波長範囲で光学活性物質に直線偏光を照射して、左円偏光と右円偏光の光の吸収強度の差を調べることができます。たとえば、DNAなどの光学活性物質に色素分子がどのような形態で結合しているのかを明らかにできます。さらに磁場をかけながら測定すると、π共役分子の電子構造を詳細にわたって調べることができます。



電気化学アナライザー(BAS ALS Model 6102B)
 この装置は、様々な電気化学的な測定を行うためのものです。電極電位を直線的に掃引し、応答電流を測定する手法をサイクリックボルタンメトリー(略してCV)といいます。共役分子には、π電子が豊富に存在するので、電極上で酸化したいり還元することができます。また酸化還元が起こる電位は、分子の構造に依存します。この装置は酸化還元電位を測定したり、その可逆性を検討する際に使います。