Environmental Chemistry Lab, Department of Applied Chemistry, Faculty of Science and Technology, Keio University
慶應義塾大学 理工学部
応用化学科 環境化学研究室
Led by Tomoaki OKUDA, Ph.D.

研究内容

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ハイライト

環境研究の世界展開

近い将来、人間の早期死亡をもたらす最大の環境要因は大気汚染となり、その中でも特に粒子状物質(エアロゾル)によるものが最も深刻となることが予測されています。特に世界人口の約6割を占めるアジア地域をはじめとする多くの国々では、環境への配慮を欠いた急速な開発など原因により、大気汚染の問題がますます顕著になってきています。このような状況を鑑みた時、過去半世紀以上に亘る公害の時代を克服して現在の比較的清浄な大気環境を享受できるに至った日本の大気環境研究者が、これらの国々における大気汚染の克服に対して何らかの積極的な行動を起こすことは、全世界的な人類の生活の質の向上に大きく貢献することになると私たちは確信しています。

GRiP-ACEプロジェクト

当研究室ではこれまでに、国外の研究機関と数多くの共同研究を実施し、また数多くの留学生を受け入れてきました。例えば国際共同研究では、アメリカ(ウィスコンシン大学マディソン校)、中国(清華大学、西安交通大学)、インド(国立物理学研究所)、マレーシア(プトラ大学)、インドネシア(ガジャマダ大学)、ニューカレドニア(Scal’ Air)、クロアチア(ザグレブ大学)などとの実績があります。また留学生の出身地は、中国、インドネシア、スウェーデン、スペイン、ウズベキスタン、韓国、アメリカ、香港など多岐にわたります。こうした経緯のもと、当研究室では2019年に、GRiP-ACE (Global Research Institute of Pollution-control, Atmospheric Chemistry and Environmental Science) プロジェクト構想を立ち上げました。当研究室で培った環境化学の知見を活かし、世界の環境改善に貢献することを目標として、今後さらに研究を展開してゆく予定です。

Snap Shots

アメリカでの共同研究の様子です(2007年撮影)。

中国・清華大学の研究グループとの写真です(2004年撮影)。

中国・西安交通大学と中国科学院の研究グループとの写真です(2005年撮影)。

インド国立物理学研究所に当研究室で開発したK-RiCを設置した時の写真です(2017年撮影)。

ニューカレドニア(フランス領)のニッケル製錬工場です(2012年撮影)。

インド・中国・日本においてサイクロンにより捕集した粒子状物質の有害性評価

これまでの多くの研究により、インドや中国では深刻な大気汚染の問題が指摘されてきました。最近になって、中国では強力な環境対策の推進により大気環境状況が改善に向かう傾向を見せ始めていますが、インドでは今のところ改善の見込みが見えていません。こうした現状を鑑みて、当研究室ではインドの国立物理学研究所と中国西安安交通大学に当研究室で開発したサイクロン式大気粒子状物質大量採取装置K-RiC (Keio Real-impactor with Cyclone) を設置し、本学屋上でのサンプリングと合わせて、インド・中国・日本においてサイクロンにより捕集した粒子状物質の有害性評価を進めています。

Snap Shots

中国・西安交通大学に設置したK-RiCです。

K-RiCにより実際に捕集されたPM2.5粉体試料です。化学成分分析、生物由来成分分析、酸化能測定、細胞曝露実験など、有害性評価のための様々な実験に用いられます。

K-RiCでのサイクロン捕集の他に、従来法であるフィルターでも粒子状物質を採取して、様々な分析を行っています。

研究内容

ビジョン

研究テーマ

業績

研究費